ごあいさつ

 今から30年ほど前、初めてディズニーランド(アナハイム)を訪れた時、私は大きな驚きと同時に、深い感銘をうけました。「遊園地は、子供の遊び場所」という程度の認識しかなかった私は、ディズニーランドのスケールの大きさや、数多くの奇抜なアイデアの遊具に圧倒されたのでした。ウオルト・ディズニーのコンセプトは、アニメーション映画「白雪姫」や「ピーターパン」などをとおして理解していたつもりでしたが、壮大なスケールのエンターテインメントの世界を目の前にして、衝撃を受けたと言っても言い過ぎではありません。
 肌の色が異なる多くのファミリーや若いカップル、老年の夫婦等々・・・が嬉々として楽しむ様子は、まさに彼が提唱してきたエンターテインメントでした。
 エンターテインメントは、国語辞典にある単なる「娯楽」「演芸」ではなく、もっと深い意味での『夢』『幸福』を含んだ言葉であることを思い知らされたのです。
 以来、音楽産業に携わってきた私は、真のエンターテインメントを目標に音楽制作に邁進してまいりました。
 TVアニメの主題歌『アルプスの少女ハイジ』、『フランダースの犬』『ピンポンパン体操』や、文化庁主催芸術祭賞を受賞した『マリンバの芸術』『子供のための交響詩ジャングル大帝』、レコード大賞童謡賞を受賞した「マーチング・マーチ」など数多くのミリオンセラー作品や海外に輸出できる作品などをプロデュースする事ができたのは、若い時に受けた感動が原点だったと思います。
 質の高い音楽を作り続けていきたい・・・という思いで平成5年(1993年)7月に(有)ジーベック(XEBEC)音楽出版を設立しました。才能のあるアーチストを発掘して、世の中に出帆させたいという願いをこめてXEBEC(3本マストの帆船)と命名したのです。ジャパニーズ・ドリーム・グランプリ受賞のアーチストであるKYOKO Sound Laboratoryの全ての原盤を有償譲渡して頂くなど多くの人々の協力のもとに、今日当社はささやかながら世界に向けて販路を開拓することができました。
 しかし高度情報化社会の進行渦中で考えることは、インターネットは人間の『夢』と『幸福』に役立つツールとして成長していくだろうか・・という疑念を否定できない側面が見受けられます。例えば、悪質なウイルス・メールやパスワード流出によるデーターの改ざん、悪意ある名前の盗用或いは卑猥なアダルト映像などです。PCは、至便性と同時に人を不幸にする面があることは悲しいことです。
 こうした側面が徹底的に排除された時、PCは『夢』と『幸福』への素晴らしいツールとなることに疑問の余地はありません。
 私たちは優れた情報提供者の一人となるよう、努力して参りたいと考えています。

2004年3月1日  社長 木村 英俊